CSの今月の番組表の映画インデックスをぱらぱらみていたら「パグ・アクチュアリー」なんてタイトルの映画が目に入って来てなんじゃそりゃあ!と思って調べてみたら既にママドンプライムに入っていたので早速観てみた。「あらゆるラブコメの王道を全部ぱくってみましたてんこもり+(プラス)犬」みたいな内容なので矢張り映画好き評の評価は随分低め。確かに金を払ってまで観る様に人にススメられるかと言われれば「そこいらの判断は貴方にお任せしたい(政治家風に)」としか言えないのだけど、肩の力を抜きたい感じの気楽に観られる息抜き映画としては十分楽しめる内容でした(何せてんこもり)。
原題は「パトリック」、パグの名前そのままで、普段は邦題をくさしてばかりで出来る限り原題で映画名は覚えようとしている程に邦題が大嫌いな私だけど、この映画がもし原題のまんま「パトリック」で「パグ・アクチュアリー」じゃなかったら絶対見なかったと思うので、邦題つけた人は大変いい仕事をしました。もう原題すら「パグ・アクチュアリー」で良いんじゃない?副題の「ダメな私のワンダフル・ライフ(←犬だから "ワンダフル" とつけたがる症候群)」って言うのも合ってると思う。
当然邦題が「パグ・アクチュアリー」だけあってパグのパトリックがメイン。やはりパトリックのあのブサカワ顔だけでうぐぐ、うぬぬとなる程に愛おしくて可愛いのだけど、出て来る人間達が全員変人で(これも英国コメディの定番)楽しい。
主人公は副題でも「ダメな私」ってなってて本人も周りを気にしてそう思い込んじゃって節があるのだけど、端から見たら十分順調に行っている様にしか見えない。良いとこのお嬢さんだし、公立校の国語教師に就任したばかりで生徒達(この生徒達も反抗期にしては良い子達なんだ)ともすぐに上手く行く様になるし同僚の先生達とも速攻で友達になるし。唯一学校を仕切ってる先生と張り合うのだけど、きちんと「何で私の事を嫌うのか」と聞くとか、彼に嫌味言われて去り際にすぐに聞こえる様に言い返してて素敵。「聞こえてるぞ!」「聞こえる様に言ってるんのよ!」と言うやりとりが健全でとても好き。パトリックを通じて知り合いになるハンサム獣医がとんでもない嫌な男と判明したら、しっかりと本人にどこが嫌かをはっきり言ってそれで獣医もその時は「ちょっと信じらんない、なんなの?」みたいになるんだけど、その後喧嘩別れで終わる事も無く反省しちゃんと友達になる所も良い。腹黒い京都人にはあり得ない事態で見ててとてもスカッとする。
途中からパトリックのせいで家を追い出された主人公は船に住む事になるのだけど船に住むと言うシチュエーションはよくイギリスでは出て来るんだけど、憧れかも知れないけど実用的な事やら(お風呂とか)安全面もかなり不安で現実的では無い気がするなあ。大体自分の生活している下が水であると言うシチュエーションは止めておきたい。ただ、入居(船にだから入船?)が決まった途端一時的に借りるだけなのに早速自分好みに水色に塗り直してたのは素敵だなとは思う。
「ブリジット・ジョーンズ」シリーズの母ちゃんだったり「ドクターフー」のシリーズ4で大活躍だったドナのじいちゃんだったり英国コメディの重鎮もちらちら出演しているのも楽しい。後、可愛い猫ちゃんもちらほら出て来るし、しっかり英国。しっかりラブコメ。私は十分楽しんだな〜。言う事無し!
-----
Patrick (2018)
パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ(字幕版)